親指付け根の痛み母趾種子骨障害治療の1例“鍼灸・ラジオ波・モビライゼーション”
スポーツ選手によくある足の親指の付け根の痛み“母趾種子骨障害”
母趾種子骨部(足の母趾球)は普段の起立・歩行やスポーツ時のダッシュやステップ・ターンなどを行う上で要となると言っても過言ではないくらい重要な部分であり、その分負担の大きい部分になります。
スポーツ以前に日常生活でもこの母趾種子骨部(足の母趾球)を安静にすることは難しく“母趾種子骨障害”は痛みの長引く疾患だという先入観をもっていましたが、今回そんな“母趾種子骨障害”が練習も休むことなく数回の治療で軽快した選手がおられたのでご紹介したいと思います。
バドミントン選手に発症した右母趾種子骨障害
もともとアスイクで継続してケアに来ていただいている選手で、特に違和感や痛みがあったわけでもなく突然強い痛みが発症しました。
特に、外傷もなく普段通り練習をしていて痛くなられました。
ですが、検査のために種子骨部を少し触れるだけでも飛び上がるくらい痛い状態でした。
痛み・腫れなど炎症症状が非常に強いので、感染性の炎症も疑って検温もしましたが36.3℃と発熱はありませんでした。
母趾種子骨障害の外観
母趾種子骨障害をつま先側からみたところです。
母趾種子骨障害を内側面から見たところです。
母趾種子骨障害を足底から見ています。
分かりますでしょうか?
下の写真を見てください。
こんなに腫れているんです。
骨折や疲労骨折の可能性もあると思いましたし、この時点では悔しいですが復帰まで相当時間がかかるんじゃないかと思っていました。
母趾種子骨障害の局所所見
先ほども述べましたが、母趾種子骨部(足の母趾球)は普段の起立・歩行やスポーツ時のダッシュやステップ・ターンなどを行う上で要となると言っても過言ではないくらい重要な部分であり、その分負担の大きい部分になります。
繰り返される荷重や衝撃、ターンなどによる摩擦による刺激で皮膚が硬く肥厚する“胼胝(べんち)”形成がみられます。
※いわゆる“たこ”や“まめ”のようなものです。
バドミントン選手に発症した右母趾種子骨障害のアスイク鍼(はり)治療
足の裏側、足底に起こる疾患は母趾種子骨障害以外にも“足底腱膜炎”“中足骨頭部痛”“モートン病”など色々ありますが、足底に鍼(はり)をすることは、少し珍しいです。
なぜなら、どうしてもほかの場所よりは痛いからです。
ですが、この炎症症状を取らないと練習なんて到底できないですし、テーピングで固めてしまっては満足にプレーできない!
ということで、鍼(はり)治療を提案し了承してくださいました。
触れられるだけでも飛びがるくらい痛みが強い状態で鍼(はり)治療を選択したのは、消炎・鎮痛効果を狙ってのことです。
結果的にこの鍼(はり)治療が奏功し、1回で強い痛みが取れ休まず練習が出来る状態にもっていけたと考えています。
母趾種子骨障害に対するラジオ波+マイクロカレント
続いて、ラジオ波+マイクロカレントのモードで患部の治癒促進・鎮痛を促しつつ足部から足関節の筋肉や関節などの固くなっている組織をゆるめていきます。
炎症を起こしているのは母趾球部(種子骨)ですが、そこに至るまでには必ず筋肉の疲労などからクッション機能が悪くなるなど筋肉も機能不全を起こしているからです。
関節も同様に、関節を構成する軟部組織“滑膜”や“関節包”なども繰り返す微細損傷によって固くなり知らず知らずのうちに正常な動きが出来なくなります。
この筋肉や関節が正常に機能してくれることで、患部への負担が軽減され痛みも楽になりますし、逆にここを改善させずに局所ばかり治療していてもすぐ痛みがぶり返し、結果的になかなか改善してきません。
母趾種子骨障害のソルボセイン製生地付き免荷パッド
仕上げに種子骨部の免荷パッドです。
衝撃吸収・圧力分散に優れ“人工筋肉”ともいわれるソルボセインで免荷パッドをつくりました。
皮膚に接触する側は生地なしで、靴に接触する部分が生地付きです。
生地付きにすることで、パッドの強度が増しへたりにくく、丈夫なものに出来ました!
また、第2・3中足骨頭の下までパッドを持ってくることで横アーチを上げ荷重を分散しています。
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