円板状半月板

円板状半月板

 

円板状半月板とは、通常の半月板が三日月型をしているのに対して、半月板が円板状になっている幼少期にみられる代表的な膝の疾患であり、半月板の形態異常です。

三日月型半月板の場合は中が空洞になっているため膝にかかる負担をうまく分散できるのですが、円板型の場合はうまく分散できず、直接半月板に負担がかかってしまい損傷しやすい状態です。だからといって必ず膝の障害が起きるということではありません。

(ある研究結果では、膝機能の障害を生じない方の割合が比較的多いことを示唆しているものもあります。)

円板状半月板は、外側半月板にみられることが多いのですが稀に内側半月板にもみられます。

症状

幼少期の子で特に外傷の既往がなく長く歩く、縄跳びをする、走るなどした後、あるいは特に誘因なく膝が痛い膝が伸びきらない膝がバキバキ鳴るなどの症状がある場合、円板状半月板の可能性があります。

 

円板状半月板の場合、X線の画像では半月板自体は写りませんが、上の図のように大腿骨の形などで判断します。(左側が患側になります。)

症状の経過と徒手検査(診察)から半月板の損傷などが疑われる場合はMRIで確認します。

 

半月板には、軟骨にかかるストレスを減らす重要な役割があるため出来る限り温存する(残す)ことが重要です。以前は、半月切除術が主な治療法とされていましたが、半月切除後に長期間経過観察すると程度の差はあれ必ず関節軟骨が傷むことから、現在では温存を目的とした治療やリハビリが重要視されています。

しかしながらリハビリを行っても、疼痛が続く・可動域が戻らない・水腫が持続する場合は手術を視野に入れなければなりません。関節鏡を用いての半月切除術や半月板縫合術などの治療が選択されます。また症状および検査(MRI)結果が軽症で、特に血流がある部位の損傷の場合は保存療法が優先されますが、血流がない部位の損傷で、半月が痛みや引っかかり感の原因になっている場合には半月切除術を行います。