足首の捻挫か骨折か判断【オタワ足関節ルール・バッファロールール】

足首の捻挫か骨折か判断【オタワ足関節ルール・バッファロールール】

スポーツの現場で選手がケガをして立ち上がれない時、プレーの可否もですが損傷の程度もしっかりと予測して対応しなければいけません。

 

ですが、受傷直後だと損傷の部位や程度がはっきりしないことも多々あります。

 

また、土曜日の午後や日曜日の試合や練習での負傷だと“救急で病院に行くべきなのか”“救急車を呼ぶべきなのか”“RICE処置など応急処置でいいのか”など対応に迫られます。

 

そんな時に『オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)』または『バッファロールール』がひとつの基準となりますので現場での運営の方や指導者、親御さんの助けになればと思いご紹介します。

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールとは

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)とは足首の捻挫をしたときに骨折の有無を簡易的に判断するための基準です。

 

バッファロールールとは、オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)に少し改変を加えたものですのでほぼ同義と考えて頂いて結構です。

 

このオタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)はもともとは、レントゲン撮影の必要性を減らし医療費を削減しようという目的でカナダのオタワで施行されたと言われています。

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)で足関節捻挫の患者においてレントゲン撮影を24%減らし、医療費は36%、待ち時間は69%減少させることが出来たとのデータもあるそうです。

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールの判断基準

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)は

  1. 腓骨遠位端(外果)より6cmまでの後方に圧痛がある
  2. 脛骨遠位端(内果)より6cmまでの後方に圧痛がある
  3. 第5中足骨基部に圧痛がある
  4. 舟状骨に圧痛がある
  5. 歩行の可否(受傷直後に4歩以上歩くことが出来たか)

の5つのうち、1つでも当てはまるものがあれば骨折を疑いレントゲンを撮影します。

 

バッファロールールはオタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)を改変し改定されたもので

  1. 腓骨遠位端(外果)より6cmまでの後方に圧痛がある
  2. 脛骨遠位端(内果)より6cmまでの後方に圧痛がある

  1. 腓骨遠位端(外果)より6cmまでの中心線に圧痛がある
  2. 脛骨遠位端(内果)より6cmまでの中心線に圧痛がある

に変更されています。

 

この改訂により検査の特異度が向上したと言われています。

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールの注意点

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールの適応は18歳以上とされています。18歳未満の子供は症状と受傷機転から考えてレントゲンを考慮した方がいいとされています。

 

※骨の成長は、性差と個人差で大きく変わりますが足関節周辺の骨は13~14歳辺りで完成します。13歳以下の年齢(特に小学生以下)は靱帯は柔らかく、骨は軟骨成分が多くて弱い状態なので、この年代の捻挫は骨折(裂離骨折や骨端線損傷)しているものとして対応してください。(軟骨部分の裂離骨折はレントゲンにも写らないので要注意です。)

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールを使った現場対応

まず、圧痛(押したとき・押さえた時の痛み)を確認します。

  1. 外くるぶしより上6cmまでの中心線の圧痛の有無
  2. 内くるぶしより上6cmまでの中心線の圧痛の有無
  3. 足の小指から骨の外側に沿って足首方向に上がっていった最後の部分の圧痛
  4. 足の甲のてっぺんやや内側の圧痛の有無

次に患肢に荷重ができるか、歩行ができるかを確認します。

足首の捻挫か骨折かを判断するオタワ足関節ルール・バッファロールールまとめ

オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールについてご理解いただけたでしょうか?

 

我々はプロのトレーナーですので、このオタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールのみで判断することはありませんが現場にトレーナー(プロの相談できる人)がいないことの多い現状で、指導者や親御さんが簡易的に判断するには十分だと思います。

 

また、オタワ足関節ルール(Ottawa Ankle Rules)・バッファロールールで骨折の可能性が低くても捻挫(靱帯損傷)は初期対応(応急処置から治療開始まで)が早期治癒・早期復帰において非常に重要なので、受傷直後からのRICE処置と早期の治療開始(出来たらスポーツトレーナーのいる治療院)をおススメします!

 

ちなみに、アスイクでは受傷翌日の足関節内側(三角靱帯)のⅠ度~Ⅱ度損傷の間くらいの方が翌日には痛みがなくなっていたという例もありました!