動的バランストレーニング【DYJOC(ディジョック)トレーニング】

DYJOC(ディジョック)トレーニング(動的関節制動訓練)

DYJOCトレーニング(動的関節制動訓練)は捻挫や靱帯損傷、骨折などのギプス固定後に弱った関節位置覚を取り戻すためリハビリとして使われることの多いトレーニングです。

 

幼少期や高齢者など、健常な方が行うと、スポーツなどによる捻挫や靱帯損傷などのケガの予防や転倒予防にも有効な足底の感覚を鍛え、バランス感覚を養うのに優れたトレーニングです。

捻挫や靱帯損傷、骨折などのギプス固定後にDYJOCトレーニングが必要な理由

皆さんはたいてい目をつぶっていても、“腕がどれくらい上がっている”“指をどれくらい曲げている”“膝や足がどれくらいの角度にある”などだいたいは分かると思います。

 

これを“関節位置覚”と言います。

 

この“関節位置覚”は靱帯にあるメカノレセプターが脳に情報を伝達し、筋肉でバランスを取るよう指令を出しています。

靱帯が伸びたり、靱帯が切れているとこのメカノレセプターが正常に機能しなくなります。

メカノレセプターが正常に機能せず関節位置覚が弱っている状態で、スポーツに復帰してしまうと関節が制動できずに、また捻挫や靱帯損傷を発生させる要因になります。

 

ギプス固定後や、ケガをして関節に腫れやむくみが残っている状態でも同じことが言えます。

 

これがいわゆる“捻挫グセ”の正体です。

逆に言うと、普段からDYJOCトレーニングをしていると、捻挫などケガの予防に繋がりますし、パフォーマンスアップにも繋がります!

DYJOCトレーニング(動的関節制動訓練)とは

DYJOCとは“dynamic joint control”の略で、日本語では、dynamic=動的・joint=関節・control=制動・training=訓練で“動的関節制動訓練”となります。

 

ほとんどの場合、DYJOC=ディジョックとかディジョックトレーニングと呼ばれます。

 

足底から刺激を入れたり、足趾を鍛えることで、足から入力される感覚を鍛えスポーツ障害の予防やパフォーマンスアップに繋がります。

DYJOCトレーニングのバリエーション

  • 足趾ジャンケン
  • タオルギャザー
  • 青竹踏み
  • 足裏ボール転がし
  • ビー玉つかみ
  • 不安定板
  • バランスディスク

などが挙げられます。

 

足底や足趾からの感覚入力を促すため、基本的には裸足で行います。

DYJOCトレーニング【タオルギャザー】

タオルを床に敷き、端から端まで足指のグーパー動作で引き寄せます。

 

最初は、両足から行いましょう!

 

徐々に片足や、ペットボトルをタオルに乗せるなどして強度を上げていきます。

 

足趾(足内筋)を鍛えます。

 

足の腫れやむくみの除去、扁平足体操としても良いです!

DYJOCトレーニング【ビー玉踏み】

適当にバラまいたビー玉をギューッと踏みつけたり、踏んだ状態から、前後左右・円を描くなどコロコロ転がします。

 

足底の感覚強化に繋がります。

DYJOCトレーニング【ボール転がし】

ビー玉より高さがある分、足底の感覚強化+足関節の可動域訓練にも良いです。

 

ボールの大きさや種類を変えて足底への刺激を変えたり、座位から立位に変えることで難易度が上がります。

 

壁バージョンはボールを壁に押し付けながら行わないといけないので、臀部・大腿・下腿など下半身全体の筋肉強化にも良いです。

DYJOCトレーニング【ビー玉つかみ】

足趾(足の内在筋)を使ってビー玉をつかみ箱に入れていきます。

 

足のコントロール(巧緻性)の強化・足内筋の筋力強化・足底、足趾の感覚強化です。

 

掴む物の大きさや素材や形を変えたり、特定の色や物を狙う・時間制限を設けるなどして難易度を上げていきます。

DYJOCトレーニング【バランスディスク】

DYJOCトレーニングの王道バランスディスクです。

 

ただ乗るだけですが、キャッチボールを入れたり、お手玉をしてみたり、反対の足でサッカーの基礎練のように投げてもらったボールを足で返したりなど、バリエーションが非常に豊富です。

DYJOCトレーニングまとめ

DYJOCトレーニングは、足底から刺激を入れたり、足趾を鍛えることで、足から入力される感覚を鍛えスポーツ障害の予防やパフォーマンスアップに繋がります。

 

また、捻挫や靱帯損傷後、メカノレセプターが正常に機能せず関節位置覚が弱っている状態で、スポーツに復帰してしまうと関節が制動できずに、また捻挫や靱帯損傷を発生させる要因になりますので、復帰前のリハビリとしても受傷後早期に取り入れたいトレーニングです。

※腫れやむくみの早期除去にも繋がります。

 

ここで、ご紹介したのはホンの一例でまだまだ難易度を上げたり、上半身との協調運動を入れたりなどバリエーションも豊富です。

 

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