膝の前方が痛い【Anterior Knee Pain syndrome=膝前痛症候群】

膝の前方が痛い【Anterior Knee Pain syndrome=膝前痛症候群】

“膝の前の方が痛いけど診断がはっきりしない”というときに【Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)】という概念が使われることがあります。

  • Anterior=前・前方
  • Knee=膝
  • Pain=痛み
  • Syndrome=症候群

“膝の前が痛む疾患群”そのまんまです。

 

略して“AKP”や“AKPS”いわれることもあります。

Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)とは

若年女性のスポーツ選手に多い膝蓋大腿関節障害といわれています。

 

痛みの部位や痛みの原因が明らかな、膝蓋骨骨挫傷・膝蓋骨骨折・有痛性分裂膝蓋骨・膝蓋前滑液包炎を除けば、痛みの原因は膝蓋大腿関節(P-F関節)の不安定性・不適合性に起因すると言われています。

 

その中で、タナ障害(滑膜ひだ障害)、膝蓋軟骨軟化症、Jumper‘s knee、滑液包炎、Hoffa病、離断性骨軟骨炎、骨軟部腫瘍、伏在神経痛(Hunter’s canal syndrom)、膝蓋骨不安定症などを除外して疼痛の原因が明確でないものをanterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)と定義されています。

Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)の症状

anterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)の症状は

  • 膝蓋骨(お皿)周辺、特に膝蓋骨内側にみられる
  • 痛みの初発は12~15歳に集中している
  • うずくような痛みがある
  • スポーツをすると痛みが強くなる
  • 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしなど長時間の同一姿勢でも痛む
  • 全く痛くない時もあり、日によって痛みの程度が変わる

などの特徴が挙げられます。

Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)の原因

  • 静的アライメント 骨盤前傾やQ-angle
  • 動的アライメント knee-in toe-out

これらを助長する要因として

  • 股関節周囲筋のタイトネス
  • 股関節・膝関節周囲の筋力不足
  • 体幹の筋力不足
  • 姿勢

などが挙げられます。

 

Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)の治療

anterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)の治療はまずは現在ある痛みを鍼灸や整体、ラジオ波やハイボルテージ療法などで抑えます。

 

また、スポーツ時の痛みはテーピングやサポーター、足底板などで抑えます。

 

そして、静的アライメントを整えるため姿勢調整や動的アライメントを整えるためスクワットやランジなどでケガをしにくい基本的な運動動作を身に付けます。

 

スクワットやランジ、体幹トレーニングはこちら

Anterior Knee Pain syndrome(膝前痛症候群)まとめ

anterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)はスポーツをしている若年女性に多くみられる疾患です。

 

素因として、女性は男性に比べ関節が柔らかいこと。骨盤が大きいため相対的にX脚のようになりやすく膝蓋大腿関節に負担をかけやすいことが挙げられます。

 

そこに、スポーツなど活動性が高くなると痛みが発症してくると考えられます。

 

anterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)は、単独ではまったく心配のいらない疾患ですがアスイクではanterior knee pain syndrome(膝前痛症候群)から、タナ障害(滑膜ひだ障害)、膝蓋軟骨軟化症、Jumper‘s knee、Hoffa病、離断性骨軟骨炎、膝蓋骨不安定症、有痛性分裂膝蓋骨などに移行する可能性がある。

 

むしろ、タナ障害(滑膜ひだ障害)、膝蓋軟骨軟化症、Jumper‘s knee、Hoffa病、離断性骨軟骨炎、膝蓋骨不安定症、有痛性分裂膝蓋骨などの前段階であるのではないかと考えています。

 

ですので、痛みを自覚した時点で姿勢調整(アライメント調整)や動作の調整(動的アライメント調整)をすることで、後々の痛みの予防や前十字靭帯損傷など選手生命に関わるような大ケガも予防できる可能性があると考えています。

 

女性アスリート(アスリートでなくても)は身体的特性から本当にケガが多いです。

 

早めの対処・予防をおススメします。